PolymarketやKalshiが非公開企業のIPO時期や企業価値に賭ける仕組みを拡大、SEC規制の境界が焦点に

PolymarketやKalshiなどの予測市場で、非公開企業のIPO(新規株式公開)に関する「Yes/No」型の取引が広がっています。投資家はSpaceXやOpenAI、Anthropicの評価額やIPOの時期といったマイルストーンを、数セント単位の契約で売買し、条件を満たせば1ドルが支払われます。契約の取引高はPolymarketでSpaceXの初日市場価値に関するものが約300万ドルに達し、契約が示す見込みは「初日で1.2兆ドル超」の確率を98%としています。
一方、こうした金融色の強い賭けは米証券法の適用範囲をめぐる論点を呼んでいます。SECは、契約が株価や証券に直接言及する場合は管轄に入る可能性が高いとみられます。Davis PolkのGabe Rosenberg弁護士は「証券や関連情報を直接参照するイベント契約はSECの管轄を引き起こし得る」と指摘しました。
さらに、企業の財務実績に影響し得る出来事(新しいAIモデルの発表や一定期間の打ち上げ回数など)に連動する契約も、株式賭博に近づけばSEC権限の対象となるリスクがあります。SECとCFTCのどちらがどの契約を監督するかはグレーで、両当局が具体的なガイダンスを示す必要があるとされています。
実際の提供形態にも差が出ています。Polymarketは米国外顧客向けに非公開企業の評価額に関する賭けを提供しており、OpenAIやAnthropicの評価額推移に関する契約では、Anthropicが6月末に1兆ドル以上となる確率を93%とし、OpenAIは20%としています。非公開企業の決着には、PolymarketがNasdaq Private Marketのデータを用いる仕組みを採用しています。
米国向けのKalshiは、非公開企業の評価額に直接結び付けた賭けは提供しておらず、IPO発表の月などに限定しています。KalshiはTeslaの納車台数などには対応しますが、決算や株価そのものに連動する賭けは行っていません。
市場環境としては、トランプ政権下で予測市場が規制境界を試す余地があるとの見方があります。CFTC議長Michael Seligは各州が予測市場を止める動きへの対処を進めており、SECもCFTCとの協力姿勢を示しています。もっとも、今後の当局判断は読みづらいとする専門家の声もあり、規制の行方が取引設計に影響しそうです。

参照元:2026/05/28 「Pre-IPO Betting Boom Hits Prediction Markets」 https://www.theinformation.com/articles/pre-ipo-betting-boom-hits-prediction-markets

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