D&B、AIエージェント向けに商用データ基盤を再構築

ダン&ブラッドストリート(D&B)は、商用データベース「Commercial Graph」をAIエージェントの問い合わせに対応させるため再構築しました。D&Bは約642百万の企業と関係、企業階層、リスク情報を扱うCommercial Graphを、クレジット分析や営業など人が使う前提で設計してきました。ところが顧客が信用・調達・サプライチェーンの業務にエージェントを投入し始めると、従来の人向け構成では機械の要求する処理ができなくなったといいます。
原因は、Commercial Graphが単一のデータベースではなく用途や市場ごとに分かれた複数システムと独自連携で構成されていた点です。人のアナリストはSQLや画面で曖昧なエンティティ照合を手作業で処理できますが、エージェントは同様の待ち時間や手順を許容できません。さらに記録は5年で3億3000万超から642百万件へ増え、1件当たり約11,000項目を持つ規模になり、毎月約1000億件のデータ品質チェックも実施していました。分断されたアーキテクチャでエージェントが必要とするサブ秒の応答を出すのは困難だったと説明しています。
D&Bは再構築で、分散したデータベースをクラウドに統合し、スキーマを再設計して正規化しつつ地域のコンプライアンス要件を維持するデータファブリックを整備しました。これにより、642百万社に関する数十億の関係を継続更新する統合ナレッジグラフを構築したとしています。
加えて、エージェント向けの構造化アクセス層をMCP経由で提供し、問い合わせごとに適切なレコードへルーティングします。各クエリの裏側にはマッチングとエンティティ解決エンジンがあり、名前のあいまい一致ではなく検証済みの特定エンティティに解決する仕組みを用意しました。
一方で、エージェントの本人確認も課題でした。D&Bは「Know Your Agent」に相当する登録モデルを作り、エージェントを検証済みのIPアドレスと個別のアクセスキーに紐づけ、人と同じ認証パイプラインで扱うとしています。さらに顧客側の複数エージェントが同一企業を参照できるよう、検証エージェントをワークフローに組み込み「デジタルハンドシェイク」のように整合性を確認する仕組みも整えました。
Gary Kotovets最高データ・分析責任者は、データ基盤の標準化、動的な関係の設計、マルチエージェントの整合性チェック、出所まで追えるリネージの組み込みが企業に必要だと述べています。

参照元:2026/05/22 「D&B’s database of 642 million businesses was built for humans, not AI agents. So they rebuilt it.」 https://venturebeat.com/data/d-and-bs-database-of-642-million-businesses-was-built-for-humans-not-ai-agents-so-they-rebuilt-it

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